N◎VAのキャラとか。

イーフ・アルディン 男性 15歳
カブトワリ◎ アラシ● あと何か。

生まれた時から既に故郷は戦場だった。
おもちゃを触るよりも先に銃を分解していた。
まぁおもちゃなんてものが無かったからそれを弄り回すしかなかったのだけど。
初めて人を殺したのは8歳の時。誕生日と一緒に拠点防衛の兵士として機関銃で弾をバラ撒くのが仕事だった。それに当たった間抜けな敵の新兵がそれだった。
拠点防衛から伏兵強襲、突撃部隊、狙撃部隊と転々して、気が付きゃ一端の戦争屋になってた。
鼠のように図太く、したたかで、すばしっこく生き延びて来た。そしてそれが今年で10年目だ。
世間で言う家族みたいなものが、所属する傭兵部隊の奴らだ。そこまで絆がある訳でもないが。見かけた顔を見ると、あぁ、まだ俺は生きていると思い出せる、その程度の仲。


そんな奴らがある日自分を残して全滅。笑う事も出来やしない。
その時ふと思い出した。難民達が俺を見て言っている事を。その自分を見る視線が、表情が語っている何かを。
人が言うにはそれは「哀れみ」だそうだ。
他の部隊に混ざる事も出来たが、やらなかった。あの難民達の「哀れみ」と言う奴が気になって。それは俺を殺すものなのか?俺に害を為す何かなのか?
しぶとく生き残るからには、自分に降り掛かる”何か”をきっちりさせておかないと。その「哀れみ」とやらで明日には死体になっているかもしれない。


そして、奴らが向かった先へ行った。そう、N◎VAへ。
そこで学んだのは自分はどこまでも間抜けで出来損ないって事だ。
殺し屋をやるには余りに派手すぎる。
用心棒をやるには、血なまぐさすぎる。
ボディーガードをやろうにも、他人を守る術を知らない。
文字が読める訳ではない。計算が得意な訳も無い。結局出来るのは銃をパンパンと撃つ事と、自分だけ戦争からが生き残る手段だけだ。


あっという間に文無し、宿無し、知人無し。戦争で闘う事は出来るのに、一人で生きる事も出来ないでくの坊。
ティンカーベルに拾われたのは、毎日の神様へのお祈りのおかげだろう。
お祈りの意味はこれまでよく判らなかったが、こういう事の為にあるのだろう。


今はネバーランドにいる。何が出来るのか分らないままいる。
読む事と書く事を教えてもらっている。
何か役に立つ事はあるのか?戦争する事だけだ。ここでやるのか?相手は?
戦争が起きるのかも分らない。必要なのかも分らない。


でも。
もし起きたのならば、真っ先に銃を持ち、真っ先に敵の居る場所へ向かい、真っ先に引き金を引く。
それだけはわかった。俺は、それまでいつも使っている銃をピカピカに磨くのが良いんだろう。
そして、いつか。
俺は他に何が出来るのか、別の生き方が出来るのか、知るのかもしれない。